ホタル

6月21日
君からの気まぐれの
連絡で君を迎えに行った

どこでも連れてってと
君がいうから
僕はホタルが見たいなって言って

なぜか不機嫌な
君を乗せて
僕らはあの場所をめざしはじめた

夕暮れの山道を越えて
暗闇の細道も越えて
闇に光るホタルを見た君は
すべてを見せるように
わらった

もっと見たいよ
君の笑顔が
無防備すぎる
君の笑顔が
僕の心を
奪っていった
そして僕は
恋に落ちてた

あれから3年経って
今年の6月は
君はもう僕の横にいない

毎年行っていた
あの場所も
もう君と二人では行けないよ

雨が降っていた去年も
時間の無かった一昨年も
二人で並んでみたホタルを
今年も一緒に見るんだと
思っていた

もう見れないよ
君と二人で
寄り添いながら
手をつないで
僕の心を
奪った君の
あの笑顔は
もう見れない

ずっと見てたよ
君の笑顔を
何もいらない
君がいれば
僕の心は
今でもまだ
君の笑顔に
奪われたまま

僕の中に
小さく光る
ホタルの光は
強く強く
君の笑顔を
君の笑顔を
君の笑顔を
照らし続ける